すぐに乾き管理が楽、ということで様々な商品に使用されている珪藻土(けいそうど)
しかし今回、多くの会社の商品からアスベスト(石綿)が検出されていることで問題となっています。
珪藻土とアスベストにはどんな関係があるのか、また現在判明している商品(販売元)をまとめてみました。
Contents
珪藻土にアスベストが混入した理由
珪藻土の商品からアスベストが検出された、とうことで「元々珪藻土の中にアスベストが含まれているの?」と疑問に感じますよね。
まずはその部分から紐解いていきます。
珪藻土(けいそうど)とは
珪藻土(けいそうど)とは、プランクトンの化石からなる堆積物(堆積岩)のことを指します。
珪藻土は体積あたりの重さが非常に小さく、また吸湿性だけでなく耐火性や断熱性にも優れているため様々な用途で使用されています。
最近ではバスマットやコースターのイメージがありますが、実は日本国内でも採れる素材で古くから使用されていたものだったのですね。
【珪藻土の使用例】
建材 | 保温材 | 絶縁体 | 研磨剤 |
プランクトンの化石からなる堆積岩の珪藻土自体には、アスベスト(石綿)は含まれていません。
この珪藻土を固め、強度を高めるために使用されたのがアスベストだったのです。
アスベスト(石綿)とは
アスベスト(石綿)とは、蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石のことを指します。
石綿(いしわた)という名前のとおり非常に小さな繊維状となっているアスベストは、耐久性や耐熱性など様々な分野でとても優れていました。
更に安価であったため日本でも主に建物の断熱材として多く使用されていましたが、この空中に飛散した石綿を長期間吸入すると肺癌などの原因となることが指摘されたのです。
スーパー大手のイズミは、ケイ藻土を使った4商品に法令の基準を超えるアスベスト(石綿)が含まれていたと発表しました。北九州市の商社が中国から輸入した「ケイ藻土バスマット」など「ゆめタウン」で約1200枚を販売。販売を中止するとともに自主回収し、返金します。https://t.co/unIXLzFBH7
— 毎日新聞小倉報道部 (@mainichi_kokura) December 28, 2020
日本でも1975年にアスベストが使用禁止となりましたが、その頃までに出来た古い建物や船舶などを取り壊す際にアスベストが飛散し、現在大きな問題となっています。
このアスベストが珪藻土を固め、強度を高めるために使用されていたという訳なんですね。
珪藻土100%では、バスマットのように人の重さを支えられるような強度を保つことができなかったのです。
しかし、なぜ既に日本で禁止されているアスベストが珪藻土に混入してしまっているのでしょうか。
なぜ中国製が多い?その原因とは
1975年に日本では使用が禁止されているはずのアスベスト(石綿)
しかし今回、たくさんの珪藻土商品からアスベストが検出され大きな問題となっています。
その原因は一体何なのか調査していきます。
中国ではアスベスト(石綿)が使用禁止となっていない
100円ショップなどでも販売されている珪藻土商品は、見てみると中国製のものがとても多いことに気がつきます。
日本を含む先進国ではアスベストは使用禁止となっていますが、実は生産を行っている中国ではその規制が行われていないのです。
珪藻土の含有量が多いほどすぐに固まらずコストも手間もかかってしまいますが、安価なアスベストを多く含めればすぐに頑丈な珪藻土商品を作れてしまうという訳なんですね。
ニトリホールディングスは、珪藻土製のコースターなど9製品にアスベストが含まれている可能性があるとして、該当する約241万個を回収すると発表しましたhttps://t.co/vUMCDzB8V3
— Twitter モーメント (@MomentsJapan) December 22, 2020
極端に値段が安いアイテムは、その分のコストダウンのためにアスベストの含有量が多くなることは何となくイメージできると思います。
単にアスベストが含まれているだけなら大丈夫なのですが、問題は珪藻土を削った際にその石綿繊維が空中に飛散してしまうことにあります。
「それなら中国製なら全てが危険か」というとそういう訳でもなく、DAISOやセリアなどの100円ショップで販売されているものは安全だという発表も。
これは消費者にとっては判断が難しく、なかなか何を選択すれば良いのか分かりませんよね。
【安心して使用できる珪藻土アイテムの判別方法】
・販売元のホームページを確認する
・販売元に直接問い合わせる
・日本珪藻土日用雑貨製造協会の認定商品を購入する
確認の手間が…という場合には、既にアスベストが使用禁止となっている日本製や他の先進国のアイテムを購入するのも方法の一つかもしれません。
自主回収中の商品(販売元)一覧まとめ
なかなか奥が深い珪藻土のアスベスト問題、現在までに自主回収などが行われている商品(販売元)一覧をまとめてみました。
もし該当するメーカーのものをお持ちの場合には、必ず販売元のホームページを確認するようにしてください。
アスベストが含まれている商品であったとしても、そのままの状態であればアスベストが飛散することはありません。
削ったり破損したときに飛散してしまうので、もし該当する販売元の商品がある場合には絶対に行わないでください。
商品を処分する場合にも、必ず販売元や自治体ホームページを確認し二次被害が出ないようにしたいですね。
まとめ
珪藻土は速乾性があり軽いため、おうち時間が増えてきた今とても身近なアイテムとなっています。
使用者が多い分、今回の問題は大きく取り沙汰されることとなりました。
もし該当するアイテムを持っていたとしても、まずは慌てずに対応するようにしましょう。